なんちゃって日本食?──はいはい、アメリカの「寿司屋」あるあるね。
でも「なんちゃって」だからといって即座にゴミ箱行きってわけでもない。
むしろ、時々「え、これ意外とアリじゃん」ってなるから油断ならない。
店名は KUMO HIBACHI SUSHI。
「雲」ね。
筋斗雲にでも乗せてくれるのかと思ったら、出てきたのはネオンサインのサイバーパンク外観。

いや、これ日本語で書いてあったら完全に『ブレードランナー』の舞台だろ。
本格和食?──そんな幻想は入口で捨てろ。
揚げ出し豆腐。

……と思ったら「揚げ豆腐+出汁ディップ方式」。
セルフサービスかよ。
でもこれが妙にうまい。
クセになる甘さの出汁。食べ終わった後も飲みたくなった。っていうか飲んだ。
アメリカ人の舌に媚びてるのかと思いきや、意外と和のツボを突いてくる。悔しい。
寿司?はいはい、来ました「Naruto Roll (no rice)」。
キュウリでトロを巻いてポン酢をちょろっと。

……なにこれ、カニカマがなければ高級和食店に逆輸入できるレベル。
惜しい、カニカマの存在感がすべてを台無しにしてる。っていうかカニカマは安いという先入観が邪魔をする。
でも、じゃあカニカマじゃなくて、カニだったらいいのかと言われるとそれも違う気がするから複雑。
「Snow Bank Roll」──雪山?何か白いのかと思ったら、カニカマ天ぷらがパラパラ乗ってた。

中身はマグロとサーモン。
ソースはピリ辛+甘い「eel sauce」。
要するにウナギのタレ。
寿司にかけるなよ……と思いつつ、揚げ物がうまいから許してしまう自分がいる。
腹立たしい。
「Sexy Nikko Roll」。
名前からしてカクテルかと思ったら、マグロ・サーモン・海老天・アボカドにウナギのタレ。

いや、普通にうまいんだよ。
ネーミングセンスが日本人には絶対出てこない方向性。
っていうか、栃木に住んでた私にとって、NIKKOの文字は無視できない。
このレベルなら「米国風和食」として日本に逆輸入しても売れるかもしれない。
ただし「寿司にタレぶっかける文化」はどうしても受け入れ難い。
でも「醤油とワサビだけじゃない寿司の楽しみ方」と考えれば……まぁ、アリか。
悔しいけど。






